週刊現代の記事、
配信されていました
「ヨーグルト、味噌など多くの発酵食品にスペルミジンが
含まれていますが、特に納豆はすごい。
その含有量は、白味噌の4倍、醤油の4〜5倍とも言われています。
納豆には、ほかにもアルツハイマーの予防になるとされる
ナットウキナーゼなど有効成分が多く含まれている。
非常にオススメの食品です」
白澤抗加齢医学研究所所長の白澤卓二氏がこう語るとおり、
スペルミジンを増やしたいなら、とにかく納豆が効果的だ。
海外の研究でも、納豆を摂取することでスペルミジンの量が
増えることが明らかになっている。
『オートファジー』という学術雑誌には、スペルミジンと記憶力の
関係についての研究結果が発表されているが、その中でも、
「日本の伝統食の納豆」を日々食べ続けることで、
体内のスペルミジン(ポリアミン)の量が増えると紹介されている。
テキサスA&M大学のルユアン・リュウ博士も、
「スペルミジンが、発酵食品の納豆に含まれていることは
よく知られています。
納豆を筆頭に、スペルミジンは、摂取が簡単なのが、
すばらしいと思います」と語る。
納豆は、まさしく世界中の研究者が注目する
「健康長寿」のための食品と言える。
納豆を食べる時には、その「種類」も重要になる。
管理栄養士の麻生れいみ氏が解説する。
「東京都健康安全研究センターの発表によると、
同じ納豆でも、普通の納豆は1gにつきスペルミジンが
56.1マイクログラム、
ひきわり納豆は75.2マイクログラム含まれています。
ひきわり納豆のほうが発酵する表面積が広いため、
スペルミジンが多く含まれるのです」
第1部でもふれた蟹江美根代さん(93歳)の食生活はどうか。
名古屋市にある自宅を訪ねた時、蟹江さんは500ピースのパズルをつくっている最中だった。最近では英語の勉強も始めたという。快活に笑う姿は元気そのものだ。自身の食生活について蟹江さんが語る。
「3年前に腸の手術をしてから、豆の皮を消化できないというんで、
いまは食べていませんが、それまでは毎朝必ず、
欠かさずに納豆を食べていました。大豆の煮物もよく食べてたね。
味噌汁はいまも毎朝飲みます。味噌汁飲まないと、
朝が来た気になりませんね。
具は、玉ネギ、豆腐、揚げ玉、生卵を入れる。
それから、白ごはん、ジャガイモのサラダ、キュウリの醤油漬け、
そして梅干しひと粒ね」
この食事は専門家の目にはどう映るのか。
前出の松本氏が、蟹江さんの食生活を解説する。
「味噌も大豆を発酵させた食品で、ポリアミンをたくさん含んでいます。これが、蟹江さんが元気で過ごしているひとつの要因かもしれません。
さらに、蟹江さんは同年代の方に比べて、かなりたくさんの肉を食べているそうです。
肉類には、ポリアミンを腸内で合成しやすくする際に必要な物質
『アルギニン』がたっぷり含まれています。
肉をよく摂っていることも、スペルミジンが多かったことに
関係しているかもしれない」
こうした食材以外にも、体内でスペルミジンを増やしてくれる物質は
多い。チーズやヨーグルトなど発酵食品が筆頭だ。
ほかにも、普段の食事に取り入れやすい食品はある。
前出の麻生氏のオススメはきのこ類だ。
「きのこ類はスペルミジンをたっぷり含んでいます。
とくに、しめじやエリンギ、マイタケなどです。
これを塩コショウで炒めておいて、普段の食事に一品添えるだけでもずいぶん違います。
重要なのは、継続的に摂取すること。普段の食事に、こうした食材を意識的に取り入れることが大切です」
上の表に挙げた食材も参考にしつつ、スペルミジンを摂取し、
若々しい体を目指してみてはいかがだろうか。
「週刊現代」2017年9月23日・30日合併号より
奇跡の腸内物質「スペルミジン」で長生き、そして認知症も防げる
奇跡の物質「スペルミジン」を増やすには、納豆が効果的