今日読んだラノベです。
電撃文庫
『ゼロから始める魔法の書９ ゼロの傭兵（上）』
虎走かける イラスト しずまよしのり
（あらすじと感想）
世界初の魔法書を記した泥闇の魔女・ゼロ。
獣堕ちの傭兵と旅をして、謎の魔術組織と敵対する。
『セストゥム』は夢の中で魔術師の仲間を集め、
その頭領であるゼロの師匠は大規模魔術を使う。
その魔術とは寒波が大陸を覆い、獣堕ちの戦士たちに
悪魔を憑依させ、世界を崩壊に導くものであった。
魔女と教会の共存する国ウェ二アスからゼロと傭兵は
旅立ち、北部遠征部隊長ジェマと共に北のノックス目指す。
大聖堂を目指し、孤島の最高指導者・代行様を救出に向かう。
途中『禁書館』で悪魔の奇妙な支配に出くわした。
悪魔に支配された人々を解放し、禁書館は自由を取り戻す。
そして『万里を掌握せし千眼の哨』を味方に引き入れる。
ゼロは夢の中で傭兵の死ぬ姿を見ていた。
彼の温かい毛皮の中で眠り、今日も目を覚ます。
悪魔・館長の見通す力で北への旅は順調に進む。
60日の進軍の後、ノックス大聖堂を抱く赤レンガの街へ。
結界の存在が悪魔の襲撃から街を守っていた。
消耗の激しい兵士を街に入れ、ゼロと傭兵は街の外だ。
禁書館の一件で教会部隊隊長のジェマと従卒バルセルは
気まずい雰囲気になり、仕事以外では会話をしていない。
ジェマとレイラント副隊長は主教に会いに街の中へ。
ジェネロス島の最高指導者・代行様の情報が入る。
500年前から祭壇に代行は存在していないという。
教会が魔女に勝利した後、1人の代行と7人の主教がいた。
彼らは魔女の対抗勢力として神の代行者を名乗った。
悪しき魔女を狩り、白魔女を味方につけた。
世界を混沌から解放した彼らだったが、民は世の中に
正義の魔女と悪の魔女の両方が存在すると知った。
悪の魔女が聖女を騙ることが増え、7人の主教は教会の
教えから魔女を切り離すことに決めた。
年老いることのない代行は自らが魔女であると明かす。
それを知っていた主教は、代行を孤島の牢獄へと幽閉した。
ジェマは教会の嘘を知り、聖堂の中庭でレイラントと話す。
従卒のバルセルとの関係だが、彼はジェマの怒りから逃げる。
レイラントは親は子に嫌われることを避けると話し、
バルセルが距離を置くのは卑怯極まりないと言う。
傭兵は普段は懐にあるゼロの温もりが無く目覚める。
ゼロは降り積もる雪の中、馬車の上に座っていた。
傭兵とゼロは互いに好意を抱いていると確認する。
朝目覚め、焚き火を囲んで朝食にする。
ジェマは館長に本を渡し、悪魔はそれに喜ぶ。
彼の力で生存者の探索とまだ見ぬ悪魔の名簿を作る。
そのために館長を専用の天幕へと身柄を移す。
ノックス大聖堂の近衛騎士は傭兵とゼロを拒絶する。
オルルクス近衛隊長の命令で騎士たちが抜剣する。
その時、怪物に追われた破竜王ゴーダが到着する。
ドラゴン・ヒースには浄火の女神の神父とネズミの
獣堕ちのリーリも乗っており、ゼロと傭兵に会いに来た。
神父たちはルートラ大聖堂で教会の真実を知って、
ゼロから連絡もないので、ウェ二アスから来ました。
既に教会の真実はゼロと傭兵と教会部隊に知られており、
神父とリーリとゴーダは何も知らずに合流してしまう。
傭兵が芋のスープを作っていると、神父は彼の故郷の
両親について話す。両親は傭兵の帰りを待ち、病で死んだ。
地獄は人の数だけあると言う神父にリーリは彼の過去を聞く。
神父は両親に森に捨てられ、狐の獣堕ちに拾われる。
盗賊として生きる術を覚え、獣堕ちの彼女に恋をする。
商人の娘を誘惑し、金の居場所を探る仕事を神父はした。
神父の偽りの愛を真実と誤解した狐の獣堕ちは娘を殺し、
村に火を放ち、神父は置いていかれ、裁判で死罪になる。
神父は浄火の女神の裁定官になり、再会した女狐の首を落とす。
リーリはそれでも神父の言葉を真実と信じると言った。
ノックス大聖堂の主教はゼロと傭兵と会う決断をした。
質素な聖堂へと足を運ぶと、地味な格好の婆さんが待つ。
彼女は傭兵とゼロを危険と認めつつ、受け入れた。
二人はマントを脱いで、大聖堂の入り口から外へ出た。
街の商人に誘われ、酒場でゼロと傭兵は歓迎される。
夜遅く、二人は寝床の馬車へ行くと火矢が飛んでくる。
近衛騎士たちが二人を追放する為、襲撃にきたのでした。
抵抗すれば、主教から得た信頼を失ってしまう。
ゼロと傭兵は追われるまま、森の奥へと逃げた。
逃げ延び、森の中で傭兵は焚き火の準備をする。
ゼロは服を脱いで裸になり、傭兵と結ばれた。
一夜明け、翌朝ゼロは傭兵に契約終了を告げる。
獣堕ちを人間に戻す魔術をナイフに使い、傭兵の
獣の魂を奪ってしまう。傭兵は激痛のあまり失神した。
傭兵は神父によって保護され、人の姿を取り戻す。
ゼロはたった一人、祭壇の師匠の元へ向かうのだった。
（続く）
そんな訳で『ゼロから始める魔法の書９』読了です。
サブタイトルといい、ゼロと傭兵の関係といい、ラスボス
の存在といい、ついにクライマックスですか。
禁書館の館長が見通す目で悪魔の存在を察知してくれます。
人間の美少年の姿になって、鏡に自分の姿を映します。
館長は悪魔ですけど、感情が素直で、愛嬌があります。
前の巻でも自分の妻にジェマを欲する人間好きです。
ノックス大聖堂まで順調に来ましたね。神父とリーリとも
再会して、神父が獣堕ちを嫌う過去も明かされました。
もしかして10巻で終わっちゃうのかな？
人気あるラノベなら、ダラダラ続けるイメージもあります。
でも10巻でしかもアニメ放送のタイミングで完結って
潔いというか、新規読者にもハードルが下がるというか。
獣堕ちの傭兵が人間に戻る展開は望んでいませんでした。
強くてぶっきらぼうでモフモフが人間になるとは……。
ゼロの師匠の大規模魔術で悪魔が獣堕ちに取りついて、
世界が悪魔と悪魔の生み出した怪物で滅茶苦茶になります。
ゼロの目的は師匠を殺して、世界を救うことなのです。
傭兵はゼロを守るために、一緒についていくのでした。
ラノベで男女が結ばれる描写はあまりありません。
編集者がそういう展開を避けてると読んだことがあります。
ゼロと傭兵の一夜も、全く描写されてません。
ラノベに生臭い展開は不必要なので納得です。
次の巻で終わりかそうでないか気になります。
長編が完結して、短編がでるという可能性も……。
それではこの辺で。ではでは〜。
