スピーカーの見所を集めました。

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今の新参は昔のスピーカーを知らないから困る

リアタイから、改めて

SONGS スペシャル「星野源」を聴き直してます

そう視るのではなく、聴く！

<イヤホン>→<テレビのスピーカー>→<ヘッドホン>

音の環境を変えると、聴こえかたも違って、面白いです

本当なら、コンポに繋いで、大音量で楽しみたいところですが、

ヘッドホンが精一杯

でも、音に集中できるので、楽しめますね♪

スピーカー僕たちは、運命に立ち向かった。

前回からのつづきです。

記事に「いいね」してくださる皆さん、ありがとうございます。

なんだか慰められているような、励まされているような気持ちになれます。

＊＊＊

泣きじゃくる私を夫は必死でなだめてくれました。

「ぴよはきっと頑張れるよ。

後遺症が残ったって、俺たちの子なんだから。

みやこも不安だと思うけど頑張ろう。

俺にできることはなんでもするから」

そう言って背中や肩をさすってくれる夫。

でも、夫も不安そうな顔をしていました。

そんな時ノックの音がしました。

やっと先生が来てくれた！

…と思いきや、入ってきたのはベテランという感じの助産師さんでした。

40代後半か、50代前半くらいだと思います。

（それまで看てくれていた助産師さんは私と同い年くらいで若めの人でした）

「みやこさん、待たせてごめんね。

○○さんから聞いたよ！

破水しちゃったんだって？

でもね、この週数で破水しちゃうこと、たまにあるのよ。

点滴して安静にしてれば大丈夫なことが多いからさ！

そんなに泣かなくたって大丈夫！！」

先生じゃなかった…とガッカリしたのも束の間。

ベテラン助産師さんはとっても力強い言葉をくれました。

「ほんとですか…？

でも、後遺症とか…

なにか深刻なのが残ったりしたら…」

「そんな心配はあとあと！

それにね、後遺症だってそんな重大じゃないことばっかりよ。

今は赤ちゃん信じてあげなくちゃ！」

涙が止まらない私にティッシュを渡してくれるベテラン助産師さん。

涙を拭くとちょっとだけ気持ちが落ち着きました。

夫も少しホッとした様子でした。

「お産もうすぐ終わるから、そしたら先生が来てくれるからね。

その前にモニターつけて赤ちゃんの音聞いてみようか」

そう言って、ベテラン助産師さんは別室から赤ちゃんの音を聞く機械を運んできました。

服をめくってお腹にモニターをつけると、ぴよちゃんの心音が聞こえてきました。

ドクン、ドクン、ドクン…

力強い音がスピーカーから響きます！

ぴよちゃんは無事でした！

「ホラ！赤ちゃん元気だよ！」

ベテラン助産師さんはニカーッと笑っていました。

その笑顔のまぶしいことまぶしいこと…

私はものすごく安心して、また涙が溢れてきました。

「すごい！

これ、ぴよの心臓の音なんだ！」

夫がぴよちゃんの心音を聞くのはこれがはじめてです。

とても感動した様子で笑っていました。

「よかったね、よかったぁ…

ぴよちゃん無事だった…！

どうもありがとうございます…！」

私達は何度もベテラン助産師さんにお礼を言いました。

ベテラン助産師さんは

「お礼なら赤ちゃんに言わないと～」と笑ってくれました。

「ね、赤ちゃんは絶対だいじょうぶ！

モニターの監視は別室でもしてるからね。

何かあったらすぐ駆けつけるから。

先生が来るまで、もうちょっとだけ待ってね！」

「はい。本当にありがとうございます！」

きっとまだまだお産はバタバタしているのでしょう。

ベテラン助産師さんはまた内診室を出ていきました。

お産で忙しいときに来てしまって、申し訳なかったな…と、

いま振り返ればとてものんきなことを思いました。

「よかったー。ぴよちゃん元気で…」

「うん。ぴよ、頑張ってるね。

ていうか俺、ぴよの心臓の音、すげー感動したよ。

赤ちゃんの心臓ってめちゃくちゃ速いんだね」

私と夫はすっかり安心してそんな会話を交わしました。

それから10分か15分くらいたった頃でしょうか。

なんだか、ぴよちゃんの心臓の音が少し遅くなったような気がしました。

遅いというか、弱くなった？

とにかく聞き取りにくい感じになったんです。

私は硬い内診台の上にずっと同じ姿勢で寝かされていました。

もちろん寝返りは打てません。

姿勢を変えられなくて背中が痛い＆お腹が重く、何度か身じろぎしていました。

そのときにお腹のモニターをとめるバンドみたいなものが少しずれたんです。

そのせいで聞き取りにくくなったんだと思いました。

「あれ？なんか音が…

モニターがズレちゃったかな…」

「ほんとだ。なんか聞こえにくくなった」

夫と話していると、先に看てくれていた若い助産師さんが部屋に来ました。

「みやこさん、動いちゃった？

ちょっと心音が弱いね」

「はい…すみません。

何度か動いたのでズレたかもしれないです」

「直してみますね。

…………、

…………？

あれ…？」

助産師さんはモニターを何度も私のお腹に当て直しました。

でも、ぴよちゃんの心音は聞き取りにくいままです。

胸のところがザワザワしました。

嫌な予感がしていました。

「あの…」

「ちょっと待ってね…

……うーん……」

ぴよちゃんの心音を探す助産師さん。

その顔は明らかに曇っていました。

聞こえにくいまま復活しない心音がスピーカーから響いていました。

私は気が気じゃありませんでした。

夫の顔を見ると、夫もやはり、顔をゆがめていました。

「……ちょっと、聞こえにくいね。

待っててね、すぐ戻るからね」

助産師さんはバタバタと内診室を出ていきます。

私は夫と顔を見合わせました。

私達は何も言葉を発することができませんでした。

助産師さんは、数分も待たずに先生を連れて戻ってきました。

先生はまさにお産を終えたところという感じで汚れた服を着たまま。

手術着のような服の袖やお腹のところが赤くなっていました。

きっと私達のために飛んできてくれたんだと思います。

先生はサッとそれを脱いで助産師さんに渡すと、すぐにモニターを見てくれました。

私のお腹を何度か押して（ぴよちゃんの位置を調整したのかな？）、

モニターの場所を何度も変えては心音を探しました。

若い助産師さんはきっと経験不足でぴよちゃんの心臓の位置がわからなかったんだ。

経験豊富な先生がみてくれれば一発で見つかるはず。

ぴよちゃんはまだまだ頑張ってくれているはず……。

私はそんな、淡い期待を抱いていました。

でも先生が放ったのは、絶望的な言葉でした。

「うーん……、よくないな……。

赤ちゃんが弱ってきてるね。

このままお腹に赤ちゃんを入れていると、

心臓が止まってしまうかもしれません」

意識が遠のきそうになりました。

心臓が止まる。

それはつまり、ぴよちゃんが、お腹の中で死んでしまうということ。

「え……」

夫が息を呑む音が聞こえました。

私は何も言うことができませんでした。

「本当はこの週数だったらまだお腹にいてほしいところだけど…

なんらかの原因で心拍数が下がっていて、危険な状態です。

このまま赤ちゃんを信じて入院して安静にするか、

今からお産をして赤ちゃんを出してあげて処置するか、

お父さんとお母さんで選んでください」

頭の中が真っ白になりました。

こんなに急な選択を迫られたのははじめてでした。

・入院して現状を維持する。

でも、ぴよちゃんの心臓は今まさに弱っている。

このままだとお腹の中で死んでしまうかもしれない。

・ぴよちゃんの生命力を信じて、今から産む。

でも、もしかしたら、なにか後遺症が残るかもしれない。

どっちも、とても残酷なことのような気がしました。

つづく

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